日中農業交流ホームページリニューアルにあたってのご挨拶

 

このサイトは日本と中国の農家の直接の交流が様々な形で豊かに発展することを願って作成していきます。

 

今回の世界同時不況の解決は長時間を要するといわれています。世界中が、各地の農業を破壊する役割を果たしてきたグローバリズムからの脱却を求めています。そのとき、日中の農家が直接に交流し、学び合い、地域から、農業・農村から地域経済を立て直す決意を固めることは極めて重要なことだと思います。

 

そもそも日中の農業交流の歴史は古くからのものです。日本は中国から大豆など各種の作物の伝達、緑肥の活用など多方面にわたる影響を受けてきました。それが端的に感じられるのはたとえば「中国農業の伝統と現代」(郭文韜他著・渡部武訳)あるいは「東アジア4000年の永続農業」()(F.H.キング著・杉本俊郎訳)という書物です(いずれも農文協発行)。

前者は中国各地の風土的条件(乾燥地あり、湿地あり)において成立した万巻の農書を現代に生かすために体系的に整理したものです。日本の農法に共通する根本的なところが、中国における幾千幾億という農家によって数千年間鍛えられ蓄積されてきたことが感じられます。

後者は、100年前にアメリカの農務省の役人であり土壌学者であったキング博士が、当時のアメリカ的な土地収奪的な農業には未来がないことを反省し、なぜ日本や中国、韓国がかくも永らく、土地を疲弊させるどころか豊かにしつつ多数の人口を養えてこられたのかを知るためにこの三国を視察し、中国農業を中心として詳細な記録に仕上げたものです。

 

私たち農文協は1985年から、日中の農業交流活動を開始しました。そして今、現代の混迷に新しい道筋をつけるためにも、このサイトを発展させていこうと思います。

農文協が取り組んでいる交流活動の内容をご報告するとともに、今後計画している活動をご案内いたします。日中の農家交流を発展させたい皆様のご支援、ご参加をお願い申し上げます。

 

農文協 日中農業交流グループ長 斉藤春夫

20099月吉日